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素早く描ける背景アイディアがいっぱい「シンプルで簡単な背景の描き方」レビュー

アニメやマンガ風のイラストを描きはじめるとき、人物キャラクターを中心に頑張って描くと思います。その場合、背景ってどうしよう?って困ってしまいませんか?そいういう時に役立つ本が、「シンプルで簡単な背景の描き方」です。人物を描いた後、背景に困ったときに使える実例がたくさんありますので、今日はこの本の内容をレビューしていきたいと思います。


図形やフレームなどを利用する

まず最初に書かれているのが、単色の平面にフレームによる枠線を追加したり、図形のパターンを簡単に加工するだけで背景を描く手法です。人物の心象やキャラクター、表情に合わせて、色や図形をうまく合わせると、効果的な背景になるだけでなく、見ている人の視線が人物の方に惹きつける効果も出せます。単純な図形の組み合わせなら2分ほどで制作できます。さらにプラスαとしてアレンジするアイディアを考える方法も書かれていて、特徴的なフレームや図形パターンを作ったとしても、15分から30分でできてしまいます。
簡単なので、初期の方のイラストでよく使わせてもらいました。

テクスチャー素材を利用する

レンガ背景、花の背景、パターンとして使える背景がイラスト素材には多くあります。クリスタなどは無料で使えるものも多いですよね。そういった素材を使って作っていくパターンです。テクスチャーだけ使ってると壁紙貼り付けただけみたいになるので、マスクで限定的に使ったり、グラデー表情や光を感じさせたり、光の素材やパターン素材・図形などと組み合わせると奥行き感のある背景が簡単にできてしまいます。
図形やフレームと比べると時間がかかってしまうので、あんまり私は使いませんでした。

炎や水、風などのエフェクトを描く

魔法や必殺技、ファンタジーキャラの背景に使えるエフェクトを簡単に描ける方法が書かれています。本当に簡単なエフェクトなので初期の方は使えるよう練習していたのですが、あまりファンタジーキャラを描かなかったので実践では使ってません。ただすごく役立ったのが、魔法陣を描く方法です。特殊定規を使って描くのですが、慣れると素早くそれっぽい図形が描けるし、光らせるのも簡単です。他のイラストにも応用できました。

光源、アングル、ピントなどの基礎を学べる

この本の2/3らいは、人物イラストに簡単なパターンや図形、テクスチャーを使った背景を足す方法が描かれているんですが、最後の1/3は簡単に描けてイラストに馴染む風景を描く方法です。これを描くのに知っておかなければいけない、光源やアングル、ピントの位置などの基礎がさらっと解説されています。本当に最低限のポイントだけですが、人物を正面から描くだけで全く意識してなかった人にとっては、さらっと読めていい内容だったと思います。

壁面や自然など、簡単な風景を描く

最後に海や空などの自然や、壁や椅子などを描いて空間を作り出す方法が書かれています。椅子の方は座らせている絵限定だったので使いづらいですが、自然の風景や壁などを追加する方法とても簡単で使えました。ただ壁を描く、空を描く、海を描く、雲を描く、桜の木を描くといったモノを描く力が必要で、その方法がさらっとしか書かれていないので、この本だけでは描けない人が多いかもしれません。簡単に描けるとはいえ、背景を描く知識が必要だと思いました。その辺りは別の本やネットで勉強する必要があると思います。

人物に集中したい人の背景本

人物を描きたい!背景の勉強は後回し!SNSで投稿頻度を上げたい!という方に向いている背景の描き方本です。この本で人物を描く経験を積んでいる間に、本格的な背景を描けるように別の本を読んで、いろんなレベルを上げるといいと思います。背景に困っている方は、ぜひ一度読んでみてください。


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