どれだけ色塗りが上手くなっても、デッサンが狂っていたり、パーツのバランスが悪かったりすると、いいイラストはできないと思っていました。
そんな時に出会ったのが「女の子キャラの描き方」です。今日はこの本についてご紹介したいと思います。
タイプが違う3人のプロ絵師をピップアップ
頭身高めのキレイ系のキャラを描く「いちかわはる」さん、かわいい系の女の子を描く「桜ひより」さん、本ではボディラインがキレイな萌え系を描く「Twinbox」さん。このタイプの違う3人のキャラの描き方を線画状態で見られる本です。
どの方もデッサンがしっかりしていながらも、キャラの描き方に個性があるので参考になります。
3人の描き方紹介が統一されている
目や口、顔や首、顎の角度 表情などのバリエーションを含めた顔の描き方、髪の描き方、手の描き方、ボディラインの描き方、服の描き方、ポーズの付け方というほぼ同じ順番で、3人それぞれの描き方が紹介されています。
目や手など個性の出る部分は、描いていく工程も紹介されています。それぞれ描き方に個性があるし、紹介の仕方も色々あるので非常に参考になります。(特にTwinboxさんは総合的に描き方のポイントを抑えるところが多めです。)
顔の描き方
顔の描き方に関しては、それぞれの特徴をわかりやすく出されているのはもちろんですが、説明する部分が3者で少しパート分けされているように思いました。
いちかわはるさんは目の動きと表情、桜ひよりさんは
正面顔の角度違いや表情、Twinboxさんは正面、斜め、横などの角度違いを利用した表情の違い。個性の出る部分はそれぞれの説明でしながら、統一して大切にしている部分は分担している感じです。
個人的に役立ったのは、いちかわはるさんの黒目の動きや表情による顔パーツの変化、桜ひよりさんの微妙な角度の顔パーツや首の位置、TwinBoxさんの表情と顔の角度をセットにした表現方法です。
髪の描き方
髪の描き方パートでは、描くポイントと髪型バリエーションがメインです。
いちかわはるさんは、フワッとした柔らかい髪を描くのがポイントなので、そこを重点的に。桜ひよりさんは線画の段階でも艶感のある髪の描き方がメインです。twinBoxさんは顔の角度別とセットで、角度別での髪の描き方やバランスが描かれています。
個人的には、いちかわはるさんのとTwinBoxさんのパートが参考になりました。
手の描き方
手の描き方は、あたりの取り方で差が現れていたと思います。いちかわはるさんは、指の骨を描いてからディティールを描いていく方法。桜ひよりさんはミトン(親指以外の指をひとつに入れる手袋)を描いてから、こまかく描いていく方法。Twinboxさんはあたりの段階から指をちゃんと描いていく方法でした。
個人的に役立っているのが桜ひよりさんの方法で、あたりを描くときのスピードとバランスが良くなりました。その後、指を細かく描いていく際の自由度も高いので、使わせていただいてます。
ボディラインの描き方
ボディラインの描き方は、Twinboxさんがいちばん詳しかったです。
他のお二人は自分の得意とする身体の説明だけでしたが、Twinboxさんはキャラの胸のサイズ別の描き方やポーズ別のラインの描き方をヌードデッサンで描いているので、すごくわかりやすいです。今流行りの柔らかい身体の表現をしたい人には参考になると思います。
服の描き方ポーズ
服の描き方は、いちかわはるさんは制服、私服、水着まで幅広いバリエーションがあり、ポーズは女の子っぽい表情豊かなポーズでした。
桜ひよりさんは、セーラー服と部屋着、メイド服がメインで、可愛いポーズと共に紹介されています。
Twinboxさんは水着が詳しく解説されていて、プラスして胸を強調したヒラヒラしたメイド服やオリジナル制服が紹介されていて、ボディラインを魅せて色気のあるポーズがメインでした。
ここは三者三様に得意な部分を描かれた印象なので、どれも参考になりました。
練習から実践へのステップに
イラストで描きたい部分、見てもらいたい部分を3タイプ紹介してくれるもので、基礎ができてこそ活きる本だと思いました。特に本の構成が3人とも同じになっているので、違いを意識しながら、自分が取り入れたい部分をしっかりと学ぶことができます。
多くの人が二次創作から入ると思うのですが、この本を読んでおくことで、今のゲーム系やラノベ系の人気キャラはかなり描きやすくなると思います。
技法をしっかり教えてもらうものというよりは、見て、真似して、取り入れるタイプの本ですので、真似て描きながら本を読み進めるのがおすすめです。
他の人がおすすめしない本ですが、個人的にはすごく見返している本です。ぜひ、機会があれば読んでみてください。