デフォルメされたイラストキャラを描くときに、顔の次にキャラクターの個性や性格を表現できるものが髪だと思います。とはいえ現実よりはかなりデフォルメされていたり、髪型表現もいっぱいあります。そういう髪の描き方を学べる本が「Paryiが全力で教える髪の描き方」です。今回はこの本をご紹介したいと思います。
本の後半に塗りや線画の項目がありますが、全体的にはラフな状態で髪や髪型、アクセや演出を教える構成になっています。
髪の生え方がわかる
まず髪を描くには、頭のどの部分から生えてどのように流れていくかを把握する必要があります。
この本では髪の生えている頭皮部分を分けていて、そこからどう髪が流れていくかが解説されています。特に顔が斜めになると奥側の前髪をイラストで描くのが難しくなるんですが、この本では顔の角度に応じてあたり線を引いてから描く方法が書かれていて参考になりました。
様々な髪型の分類や描き分けができる
ショート、ボブ、ロング、ツインテールなどの定番の髪型だけでなく、様々な髪型を描くためのコツが書かれています。
ざっくりラフでの説明なので実際のイラストでは応用が必要ですが、キャラクターの性格まで表現できる髪の描き方が学べました。
毛先や毛束のアレンジ方法がわかる
全体的にはラフ絵なんですが、そこからより細かまかな髪の表現ができるようにもなっています。
特に毛先などの分け方や毛束のまとまり、編み込みや巻き髪を描きやすくする方法などもあり、イラストらしい特殊な髪型も描けるようになりました。
アクセサリーや角、猫耳、顔や目の描き方
髪型に加えて、ヘアピンやカチューシャ、マフラーなどのアクセサリーを使った表現や、イラストならではのエルフ耳や猫耳と髪の組み合わせ方なども書かれていて参考になりました。
意外なんですが、Paryiさんの顔の描き方も細かく書かれているので、表紙絵の顔が気に入った方はそちらも学ぶことができます。
ポーズを使った演出を学べる
髪をかき上げる、目にかける、口でくわえる、肩にかかる、床に垂れ下がるなど、髪の毛を使った様々な演出方法の例が載ってます。
初音ミクのツインテール表現であるようなイラストならではの広がりと動きのある髪を自然に描けるようになったのもよかったです。
キレイな髪の流れを作りたい人におすすめ
この本を読むことで、ラフの段階から髪の流れを意識して描けるようになったのは大きな収穫でした。
特にイラストならではの髪の毛の表現を知れたことが大きいし、いまだに毛先の分け方に悩んだ時はこの本をリファレンスとして使っています。塗りや細かな線画についてはページ数を割かれていないので、そちらを期待した方からの評価は低いですが、髪が苦手な方やイラスト初心者の方には評価が高いと思います。
髪をもっとキレイに描きたいというイラスト初心者の方は、一度読んでみてはいかがでしょうか。