美術解剖図とかを見ても、実際自分の絵に当てはめるときに上手く描けないことってよくあると思います。そういう時はいろんな名作デッサン本を読んだりするんですが、リアルよりな解説が多くて、二次元キャラっぽい描き方の解説が少ないと思っていました。
そんなときに本屋さんで見つけたのが、今日ご紹介する「人体の描き方マスターガイド」です。あらゆる美術解剖図からデッサン本のいいとこどりをして、一冊にまとめた本なので、机の上に常に置いている1冊です。
今日はこの本についてご紹介したいと思います。
著者は中国ネットで人気のお絵描き講師
著者は中国のゲームデザイナーや人体デッサン講師・肖瑋春さんです。
中国のネットで大人気の方らしいのですが、不勉強で全然知りませんでした。中国のお絵描きyoutuberみたいな感じの人っていう説明をされていました。
この本は数年かけて書き上げた本らしく、イラスト本をそれなりに読んでいる人には「あ、あの本の話だ!」とわかるものが多いんですが、それらを「二次元イラストを描くためにまとめた技術・知識本」としてよくできてるなと思いました。
単純な図形からあたりを描く
丸とか骨になる線や頭、胸郭、腰に当たる部分を丸やざっくりとしたシルエットで捉える、クイックデッサンや素体の描き方でよく見る手法から入ります。
アニメーターさんの本とかだと動きを捉えることが重視されるんですが、こちらはイラスト系なのでポーズを捉えるとことに重点が置かれている感じです。
ここもいろんな本の集大成なんですが、いいとこ取りしてあって絵を描く前の比率やバランスを素早く捉えられるものになっています。
箱や円筒などで立体感ある素体を作る
次に立体感を出すために、箱や円筒などを使って、立体感を作っていきます。まあ箱と筒で描くあの本を中心にして、他のお絵かき技術をプラスした感じです。
お絵描きyoutuberさんだと、球体で捉える人は球体だけで、立方体で捉える人は立方体だけであたりを取ってから、描く解説が多いですが、時と場合によってあたりに使う立体は変えてもいいなと思っていました。
この本では、そういうあたりの取り方を複数解説し、その後に各部位を描く際にどういうあたりで捉えながら描く方がいいのかを解説しています。
理論と実践がセットになっているのでとてもわかりやすいと思いました。
美術解剖図的なアプローチから肉付け
そうやって、ある程度素体を描けたら肉付けしていくんですが、ここが箱と筒+人体解剖図をまとめてイラスト化する方法を解説しているところになります。
おそらく素体は描けても実際に人物イラストにすると違和感が出たり、筋肉の描き方が違ったり、デッサンが狂ったりするんですが、この本はその部分をしっかりとフォローしていて、リアル寄りの二次元キャラを描くアウトプット方法を教えてくれます。
デッサン本の名作は基本的にリアル人物を描くための本なので、デフォルメキャラには必要ないことも多いです。この本では二次元キャラを描くために人体デッサンの技術を主さ選択して整理してくれた感じです。
これからイラストをはじめる人が読むと無駄な勉強が減ると思います。
髪、脂肪、各パーツの細かなところまで
美術解剖図ではあまり取り上げられない髪の流れの描き方や、綺麗な人物を描くデッサン本では見られない脂肪の描き方や知識など、イラスト本に書かれているような情報も追加されています。
いろんな専門書だとない部分をつなぎ合わせて、二次元キャラを描くことに特化している本ならではだと思いました。
あと変わったところで、これら人体を描く知識を応用してバケモノや動物を描くという項目もありました。ファンタジー系のバトルシーンを描く時などに参考にしたいと思っています。
あらゆる名作イラスト本を一冊にした本
この本さえ読んで理解できたなら、他のデッサン本や美術解剖図はいらないと思います。それくらい専門知識をまとめて、二次元キャラを描くというポイントに絞り込んだいい本だと思いました。
何かと便利なので、机の上に一冊おいてます。
人体の描き方をもっと知りたいけど、高い専門書買うのは・・・という方にはおすすめの一冊だと思います。イラスト初心者さんや中級者さんにおすすめの一冊。
ぜひ機会があれば読んでみてください。