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単純な立体から人体を描きやすくする「箱と円筒で描く」レビュー

イラストをはじめるとボディの立体感がうまく出せないことで困ることがあります。そんな時におすすめされた本が「箱と円筒で描く」です。かなり前に読んでからほったらかしにしてましたが、いい機会なので読み直してみました。今日はこの本についてレビューしていきたいと思います。


絵画をする人が読むモルフォ人体デッサンシリーズ

この本は、絵画など本格的な絵を目指す人が読むモルフォ人体デッサンシリーズのひとつです。筋肉や手足、関節など部分で本が分かれているので、自分が苦手とするところを買って読むことができるのがこのシリーズのいいところです。特にこの「箱と円筒で描く」を読んでイラストレーターになってる方も多く、イラスト講座やYoutubeの解説等もこの本をベースにした解説をした方が多いです。ではこの本の内容がどういったものなのか書いていきたいと思います。

立体感と捉えるあたりが作れる

タイトルから分かるように基本は、箱と円筒を使って体を描いていくことです。人間の体は角のある四角ではありませんが、正面、側面などにも分割できる部分も多く、そういった部分をまず四角で立体感を捉える、そして腕など長い部位を円筒で捉えて基本的な立体感を持ったあたりを描いていくことを基本にしています。まず四角の部材を置き、そこから削り出していく彫刻のような発想で絵を描いていく感じです。

あたりから筋肉、ボディラインを作れる

ある程度、四角や円筒で立体感のあるあたりを作れたら、そこから胸郭などの骨格を描いたり、筋肉を描いて人間らしい身体を描き足していきます。美術解剖図のような生々しい感じではなく、人体のイラストを描く際に基本となる骨や筋肉を図形的に捉えて描いていくことで、ボディラインがかなり美しくなります。よくイラスト講座で筋肉を意識してとか、骨を意識してとか言われますが、その過程をいろんな部位で見せてもらえる感じです。

個人的には腕や肩周りが勉強になった

部位を単純図形で捉えてから描いてく方法で描いてくと難しいのが肩周りから腕回りにかけてで、ある程度m、輪郭を捉えられても腕を上げたりすると筋肉の動きを考えて描かないと美しいボディラインが描けません。肋骨、肩、腕を単純化して繋いでいく方法はかなり勉強になりました。

見開きで机において見られる綴じ方

本を見ながら絵を描こうとすると本を痛めたりします。私は開いたままにできるように譜面台を使って本を見ながら描いています。けれどこの本は綴じ方が特殊で、開いたページを机の上に置いていても閉じないんです。この本は模写とかはすごくしやすいと思いました。

アニメ・マンガ系を描く人は応用が必要

この本の描き方は単純化はされていますが、かなりリアルよりの人体バランスです。デフォルメされているアニメや漫画キャラを描くにはそこから、自分が描きたいキャラのボディバランスなどに当てはめていく必要があります。描きたいキャラの比率を測って、実際、単純化した図形を当てはめてテストするなど、自分の絵にはめるには応用が必要です。
そこそこ素体を描けるけど、人間らしくならないな?っていう方にはおすすめの本だと思います。ぜひ一度手にとって見てください。


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