アナログの時代と比べて、誰でも絵を描ける環境を手に入れられるんですが、学校の美術程度ではデフォルメの効いたアニメや漫画風イラストを描くのは難しいと思います。
そんな時に読んだ本がこの「90日間で変わる画力向上講座」です。イラスト初心者の方に最適な本だと思いますので、ご紹介していきます。
ターゲットはまったく描けない人
最近流行りのYouTuber系配信者の初心者本は、少し絵を描いた経験のある人をターゲットにしていることが多く、また人を選ぶ傾向にあります。それに対して、この本は昔からある絵画技法を著者自身の経験などを基にして、2次元キャラを描くことに特化させた技法書です。
少し絵柄が古いように感じると思いますが、絵を描く基礎技術は今の絵柄でも同じです。この本を読みながら描くことで、絵を描いたことがない初心者の人でも、最低限、全身のキャラを描くことができます。
2次元キャラに特化したバランスを習得
この本では、人物を描くときに、いきなり顔の表情を描いたりしません。ちゃんと絵を描く前にキャラの立体感やバランスを捉えられるようにする「あたり」や「素体」を描いてから、人を描きこんでいきます。人間の膨らみや凹凸、曲線を把握しやすいあたりを描いてから、キャラを描いていくので、ボディバランスが大きく崩れることがなくなります。
線画から塗りまで全工程を学べる
最近のイラスト本は、線画や塗りなどに特化した本が多いのですが、この本はあたりの取り方から、素体、線画、塗りまですべてを網羅しています。イラスト初心者の場合、制作工程もわからないことが多いので、全ての工程が1冊にまとまっているのは、すごく便利です。
特に、全ページにわたり著者の絵で統一されていますから、複数の著者が描いてる本とくらべて、統一感のあるイラストを見ながら学習することができます。
この本は基礎。次の技法や応用を学ぶ必要がある
この本はあくまでイラスト初心者が二次元キャラを描けるようにする基礎だと思います。この本だけで自分が望む絵が描ける本ではありません。
いろんな角度から描こうとすると別のあたりの取り方や、バランス、人体構造の勉強などをちゃんとする必要があります。
そういう部分は、最近のYouTubeのイラスト技法動画の方がわかりやすいので、自分の苦手な部分、習得したいことを動画で探していく方がいいでしょう。
総花的なので専門性を深める本ではない
すべての工程を一冊に収めているため、専門性が高い本ではありません。線画の描き方、塗りの技術など、より深い知識が描かれている訳ではありませんので、絵が上手くなるためにはプラスαの知識をyoutube動画や他の本で吸収している必要があります。
僕の場合は、顔のあたりの取り方は、この本だといろんな角度から描けないので、別のyoutube動画を見て応用力をつけました。また塗りに関しても別の本を読んで勉強しました。
まったく描いたことがない人の最初の一冊
イラスト本は一長一短があり、なかなか誰でも絵が上手くなる本というものはありません。この本の特長は、絵を描いたことがない人でも、最低限、人間のカタチをしたキャラを描けるようになることです。ひとつひとつの工程を踏みながら学んでいけるし、内容も難しくないので、小学生の子から忙しい社会人まで、使える本だと思います。
イラストを描きたい!と思ったら、一度手に取ってみてください。