服を描くのがうまくなりたいので、いろんな本を見ているんですが、女の子がカワイイと思う服と、男の子がカワイイと思う本は少し違うような気がします。
アニメなどのキャラは男の子がカワイイと思う服を着ている子が多いので、そういう本がないかなと探していた時に見つけたのが「童貞を殺す服の描き方」です。
こういう服に特化した本は見たことがなかったし、サンプルの絵も可愛かったので購入して読んでみました。
5種類の童貞を殺す服をテーマに
童貞を殺す服というと色々ありますが、この本ではカワイイ系の服になります。その代表として、5種類のコーディネートがメインビジュアルとして描かれています。
①ベーシックなブラウス&ハイウエストスカート・・・表紙の絵で使われているもので、ハイウエストスカートで腰の位置を高くして胸を強調できるコーディネートです。
②甘々のワンピース・・・普通のワンピースよりフリルやギャザーが多い。
③ヒラヒラのゴスロリ系・・・全身に統一感ある定番のゴスロリファッション
④清楚でシンプルなガーリー系・・・女子大生っぽカジュアルなファッション
⑤胸開きジャンパースカート・・・清楚でありながら、腰まりを締めてブラウスに包まれた胸を強調できる
5つのファッションに共通するのは、ハイウエスト気味に腰を締めて、胸を強調するところです。オタサーの姫って感じのファッションですね。(胸空きのセーターはありません)
他の本ならこのまま5種類の描き方を一つずつ解説していくところですが、この本ではブラウス、スカート、ワンピースなどそれぞれの服の種類に分けて、解説に入っていきます。
ブラウス(トップス)、スカート ワンピースの3パートで解説
実際の解説は3つのパートに分かれています。
①打ち破り難き壁(トップス)
ここは主にブラウスをメインに解説していて、ブラウスの種類から構造、シワの寄り方や、胸の強調具合、描くときのポイントが解説されています。
さらに付け足し感はありますがケープやコートのバリエーションが紹介されています。
②魅惑の甘い罠(スカート)
ここではスカートの種類や広がり方の分類、腰の締め方の分類、描くときのポイント、スカートの種類による動いたときの変化などが解説されています。
コラム的にレースやフリル、ギャザーの描き方が載っているんですが、他の本のように簡単に描ける方法はなく、構造を理解させていく解説になっています。
③最終兵器(ワンピース)
ここではワンピースの種類と首回りなどのバリエーション、ジャンパースカートとブラウスの組み合わせなどが書かれています。スカートの解説と同じ部分も多いからだと思いますが、ページ数が少ないです。
この3つがメインの解説で、プラスしてアクセやバッグ、ソックス、シューズや、童貞を殺すシチュエーションがありますが、本当におまけでついてるだけです。
服の構造や種類がわかりやすい
童貞を殺すという目的に特化した服の分類や構造がすごくわかりやすいです。
特に胸を強調するorしないといった違いがどこで出るのか、腰周りや背中の構造やアイテムなども細かく分類されて解説されているところが役立ちました。
服に詳しい人からすれば基本知識かもしれませんが、こんなヒラヒラの服を着ない人にとっては、知識がまとまってるのはありがたかったです。
フリルやフレア、スカートのひらひらが描ける
ギャザーやフリルの構造解説からスカートの広がり方が分類・整理されているので、自分が描きたいキャラの服がどういう構造なのかがわかりやすくなりました。
他のイラスト本みたいに簡単に描ける方法はないですけど、服の基礎知識がしっかり身についたと思います。
動きに合わせたシワやカタチの変化を意識できる
そこまでバリエーションは多くないですが、動きやポーズによって服のシワの寄り方や広がり方の変化を解説してあるところが役立ちました。
フリルとか角度やポーズで見える面がかわったり、構造で支えられる部分と重力に負ける部分があると思います。そういったところが線画で解説されているのがわかりやすかったです。
どうやって服を着るのかがわかる
3つのパートすべてに服の着方が載ってます。
スカートを履くだけなら簡単ですけど、ブラウスをスカートの中に入れてから少し引き出すとか、パニエを履く順番、ワンピースを上から着る方法、下から着る方法、ブラウスの片方の袖に手を入れてから、もう片方を手で探すところなど、日常芝居につながる部分がたくさんあります。
普段は着ない服の着方や、毎日当たり前にしていて気づかない着方を発見できたのは大きな収穫でした。
薄い本ですが充実の内容!
この本は服の分類や構造、動きによる変化がメインで、実際の描き方のポイントはコラム的な扱いです。
読めば服が描けるタイプの本ではありませんが、男の子に好かれるカワイイ女の子の服に特化してまとめているところがよかったです。
さらに、ここの出版社は解説絵にいろんな人を使うのですが、この本に関しては全体的に解説絵に統一感があってわかりやすかったです。
今は絶版になっているので、中古か電子書籍でしか読めない本ですが、男の子が好きなカワイイ服をまとめている貴重な本だと思いました。
機会があれば、ぜひ読んでみてください。