ある程度キャラクターを描けるようになると、リアルな背景を入れて物語を感じるイラストを描きたいと思うものですよね。そんな時に、すごく役立ったのが今日ご紹介する「背景作画」という本です。背景をはじめて描く人にすごく向いている感じの本で、自然物から人工物までいろんなものを描けるようになります。今日はこの本についてご紹介したいと思います。
背景の基礎がわかる
まず最初に背景を描く時の基本、光やシャドー、シェイドを活かした立体表現や、パースの取り方、遠近法が学べます。この部分はすごくコンパクトにまとまっていて、すごく読みやすいです。特に風景作りに特有の空気遠近法や色彩遠近法についてはすごく勉強になりました。ボケや色味の変化で風景の奥行きが出るようになるのがすごく参考になりました。
自然物、人工物などパーツごとに描く技術が学べる
この部分がこの本のメインで、いろんな背景パーツの描き方が学べます。自然物だと、木や花、海や空、岩や地面。人工物だと、道路やフェンス、レンガやコンクリートの壁、学校の机や畳や襖。部屋の内装から風景までいろんな背景のパーツ作りを学んでいきます。本を見ながら描いていくんですが、最初、上手くできないものありますが、慣れてくると比較的簡単にいろんなものが描けるようになります。
パーツの変形やリピートで背景ができる
さらに上で学んだパーツを活かして、風景を作り込んでいけるようになります。表紙のようなレンズで湾曲したものは難しいですが、表紙絵のような夕暮れの風景を描くのはできるようになります。キャラクターの絵に夢中になって、ついつい背景が疎かになってしまいますが、パーツの組み合わせで背景が描けることがわかったので、背景を描くのも楽しくなってきます。
ダウンロードブラシで、素材感の出し方がわかる
いろんなパーツを描ける汎用性の高いブラシがダウンロードできます。それを使えば、人工物から自然物までいろんなものを描けるだけじゃなく、質感の表現までできるようになります。クリスタで描く方はいろんなブラシや素材をダウンロードしても使いこなせないことが多いと思いますが、この本のシンプルなダウンロードブラシで練習することで、自分に必要なブラシや素材がわかるようになったのも、よかったポイントです。
背景の基礎がしっかり身につく本
この本をひと通り練習すれば、背景の基本技術がしっかり身につくと思います。ここから自分の絵にどう活かすかが大切ですが、資料を見て、イメージしたものを具現化させる技術を応用させることで、様々な背景を描くことができます。他にも有名な人の本も読んだんですが、考え方や発想重視で技術が少し少ないように感じます。この本はパーツの描き方から始まる技術中心ですので、背景を描いたことがない初心者の方にぴったりだと思います。リアルな背景も勉強してみたい!と言う方は、ぜひ最初に読んで見てください。