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基本を習得した人が脱初心者を目指す本、さいとうなおき「技の書」レビュー

お絵描きVtuberさん系の本は精神論やお悩み相談系になる傾向があって、前向きに描き続けられて、ある程度イラストスキルのある人には役立たないことが多いと思います。
そんな中で、さいとうなおきさんの「技の書」は技術寄りの本だったので買って読んでみました。基本をマスター人が初心者を脱出するにはいい本だと思いましたので、今日はこの本について書いていきたいと思います。


魅せる構図やポージングがわかる

全体的にyoutubeで解説していた技術や理論をまとめた本になるんですが、読んでいて特に印象に残ったのが、構図の話とポージングです。
理論として成立している構図やポージングをダイナミックに魅せるパースの付け方がすごく勉強になりました。
さいとうなおき先生の絵はシンプルなのに前に出てくる印象がある秘密がわかった気がしました。

キャラクター作りのポイントがわかる

デフォルメが効いたキャラクターイラストなので、ほんの少しの変化で、絵の雰囲気だけでなく、キャラクターの感情や性格まで変わってしまいます。
例えば目の描き方もベースはほぼ同じでも、わずかな変化でここまで変わるのかという具体例がたくさん出ています。
シンプルな絵だからこそ、細部に命が宿るんだなと思わされました。

さいとう先生流の線画や塗りが学べる

ここも以前Youtubeで見た内容でもありましたが、先生流の線の描き方や塗りの方法が学べます。
シンプルなイラストなのに工程をしっかり踏んで、詰めていくところはすごく勉強になりました。ただ同じことができる自信はないので、できそうな部分を取り入れています。
特に線画に入るまでにラフや下書きの工程を複数入れるところは取り入れてみてよかったです。次は服のシワの描き方を真似したいと思っています。

基礎が描けない人は注意

お絵描きVtuberさんが以前動画で「さいとう先生は画力がゴリラ」って言ってたんですが、本当にそうだと思いました。
あたりの描き方とかでもそうなんですが、補助線がほぼないです。目がズレる、カラダのバランスが悪い、という人がこの本を読むとバランスが崩れたまま、描く技術だけが進化していくと思います。ここは要注意だと思いました。

初心者のステップアップに役立つ総合本

さいとう先生のようにシンプルなイラストを目指したい人はもちろん、ちょっと絵が平凡になりすぎるなと思っている人には、解決のヒントになる技術や理論がたくさん詰まっている本だと思います。
シンプルなイラストだからこそ、わずかな違いや細部の描きこみでキャラクターに命が宿る、さいとう先生のイラストの真髄を見せてもらいました。
素体をある程度描けて基本をちゃんと学んだ人が脱初心者を目指すには最適な本だと思いました。
機会があれば、ぜひ読んでみてください。


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